性同一性障害を隠し続けた末、対人恐怖症になったが克服した話

女性

性同一性障害を隠し続けた結果、対人恐怖症が発症した

私は現在、女性から男性へと戸籍を変える為に治療をしている性同一性障害の当事者です。女子として産まれた事実を受け止めつつも、物心が付いた時から既に他の女子達とは好むものも行動も異なっていました。

中学2年生の冬頃、対人恐怖症を発症するまで性別の悩みを誰にも打ち明ける事ができないまま本音や本心を隠し自分を偽っていました。

私の家族は母親が統合失調症、姉が摂食障害です。「辛い」と言えば「頭がおかしいだけ」と言われ泣いて苦しんでいる精神疾患の家族を自分自身がこの目で見てきたからこそ、精神疾患に対する世間の目は冷たいものであると当時は認識していたのです。

自分が性同一性障害であることが周りに知られてしまえば馬鹿にされていじめられてしまうだろう。そう思うほどに自分は怖くなり、本心を隠しては辛くなって一人で抱え込む日々が続きました。

気が付けば他人の目線が気になるようになり”もしかしたらもう人に知られているのではないか”と他人の意見や評価が恐ろしく思えるようになったのです。

それでも弱い自分を人に知られたくない一心で、明るく活発な生徒なふりをしては先生に怒られ、注意を受けては平気な顔をしていました。

悪化する対人恐怖症

そんなとき合唱コンクールで人前で歌うという行事が飛び込んで来たのです。

去年まで普通に参加していた合唱コンクール。ですが既にその頃は通学の際に利用する電車の中でさえ小刻みに足が震えるほど悪化しており人の目を気にしては平常を装うのがやっとでした。

しかしここで逃げてしまえば理由を問われすべてが知られてしまうと思い、平常を装っていざ体育館での総練習。壇上に登った途端、人々が敵の様に見えました。「なんか様子が変、動きが気持ち悪い」みんながそう思っている様に見えるのです。

誰も私の事なんか見ていないのだから大丈夫。そう自分に言い聞かせれば言い聞かせる程、震えが止まらず呼吸すらうまくできずになりとっさにその場を飛び出してしまいました。

思い切って打ち明けてみた

それがきっかけとなり、性同一性障害である事と対人恐怖症を患っている事を周りに全て打ち明けたのです。ついに本当の自分を知られてしまったという思いと、自分が精神疾患である事への悔しさと恥ずかしさで落ち込みましたが、ある意味”もういいや”と開き直れたのも事実です。

弱くて格好悪い人間、これが本当の自分。人にどう思われようが本当の自分を隠してまで人に好かれようと頑張っていても何の意味も無いのだと、今まで否定していた本当の自分を自分自身で認めたのです。

そして何よりも嬉しかったのが周りの支え。”知られたら嫌われる、いじめられる”そう思っていた自分にとって周りの優しさや声掛けは本当に温かいものでした。「今まできつい思いをしてたんだね」 「早く言ってくれればよかったのに、これからは何でも言ってね!いつでも素を出していいんだよ」周りの支えのおかげと打ち明けた事によって気が楽になり、段々症状が落ち着いてきました。

人と素直に会話をし、徐々に本音や素を出せるようになったのです。人に様子がおかしいと知られてしまう前に早く対人恐怖症を治したい、そう考えていた当時は、焦って悪化する一方でした。対人恐怖症を克復する方法は中々自分一人では見つけにくいものです。それなのに毎日治したいと病気の事ばかり考えていると更に症状が気になるようになって悪化していきます。

横線

開き直って自分自身を認めてあげる大切さ

まずは隠さずに人や医療機関に相談をしてみること、素直に人を頼ること、そして自分自身が本当の自分を認めてあげることで症状を和らげていく事ができるのではないかと私は思います。

「対人恐怖症を早く治したい、こんな自分が大嫌いだ。」そう思うのではなく、「私は対人恐怖症。別におかしい事ではない、これが自分自身なのだから」と開き直って自分を認めてあげましょう。自分の事を自分自身が否定していると本当に駄目な人間になってしまいます。

たまには心の中で自分を褒め、人からの評価よりも自己評価を高めていくこと、そして徐々に自信を取り戻し克復に繋がっていくのです

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